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Next Month11 '24
29
「キング・ラット」チャイナ・ミーヴィル(村井智之 訳)
今回の福岡書籍屋敷構想で本並べてて発掘したミエヴェルのデビュー作。原著は1998年刊。この頃は姓が"ミーヴィル"(Mi'eville)表記なのね。
ロンドン、同居している父の突然の死、主人公サウルはその犯人として逮捕されるが...拘留されている彼を助けたのは鼠の王!ヤングアダルト的な都市ダークファンタジー。90年代後半のジャングル、ドラムンベース..UKのダンスミュージックカルチャーを絡めた趣味丸出しな、それでいてミエヴェルらしい都市モノ要素も全開。ロンドンの地名が続々出てきて、それぞれの場所の雰囲気わかってるとより楽しめる。逆にロンドンまったく知らなかったら、面白さ半減だろうなあ。「ペルディード・ストリート駅」の原案みたいなところがあって懐かしい感じあるけど、復讐と家族愛みたいなモチーフは自分には重くて、初期のミエヴェルは実は得意じゃなかったりもする。  ちなみに本書は出版社が潰れたので絶版になってるみたい。
28
毎年恒例のドイツ代理店の来日会議2日目の会食で、鉄板焼き。なかなかのお値段。バローロとか開けちゃったからなあ。
26
夜半から風が轟轟、朝は風雨強く嵐の様相。鳩は来ないが天気のせいかな。終日リモート会議で夕方まで。終わってそそくさと宅を出て福岡空港。東京帰宅23時過ぎ。朝の嵐が移動してきたのか、着いた東京は大雨でびしょ濡れ。
25
忙しくない月曜日のはずが、夕方いろいろ出てきてバタバタ。とりあえず片づけて西新まで歩く。福岡の人と水炊きを食う会。なかなか高級な小料理の数々、濃厚な水炊きと雑炊。正直濃い鳥ガラスープは得意でないのだけど、目の前で美味しく食べてくれたからよし。自宅に移動して話の続き。なんかずっと話してるな。

鳩は朝2羽見かけたキリ、日中姿を現さず。寒かったからか、様子見が必要。
24
昨日の続きで朝からベランダ掃除。リンレイのウルトラハードクリーナー(トイレ用)、頑固な鳩の糞に効きますねー。奥の小ベランダもなんとか見れる程度に。掃除スイッチ入ったので、ベランダの次は、窓拭き。リビングの大窓を脚立出して拭く。からのフローリング床拭き。追加のフェイクグリーンが2つ届いたりして、少し殺風景さが緩和され、こころなしか綺麗になった気がする。気分ですけどね。12月に来たときには最終形にできるかなー。
昨夜設置した装置のお蔭か鳩の姿はほぼ皆無。鳩も日曜日は休日ってことはないよねw 奥のベランダ用に追加発注した。
23
朝思い立ってベランダの掃除。前回やったばかりなのに1ヶ月経つと元の木阿弥。鳩問題は頭痛い。奥の部屋側の小ベランダは父母が居たときから掃除してる気配なく、かなり荒れている。昼前に切り上げ、デパ地下でおかず買って昼ご飯食べよう企画で、福岡の人と天神の三越待ち合わせ。美味しそうなものがいっぱい。100g、200gの少量をあちこちで少しずつ。バスで部屋に移動して、炊いてたご飯でお昼。ずっと箸でつつきながらいつものようにあれこれ喋って時間が過ぎる。
非可聴音を発して鳥を寄せ付けないという装置を見つけて試しに買ってみた。夜の間に設置。明日、様子を見たい。
21
物がいっぱい届く日。コーヒーテーブルと椅子2脚。リビングに2つ置いてた1人用リクライニングソファーのひとつは奥のTV部屋へ。少しリビングぽくなったかな。殺風景だったベランダに背高めのフェイクツリー。風で揺れる葉を室内から見てると心地よい。今回の目玉は、トースター。なんだか著名なパン屋氏監修らしい。夕方、仕事の合間に抜けて食パン買ってきて早速トースト焼いてみた。見事に全面綺麗な焦げ色。表面カリカリなかはもちっと。うーん、これはすごい。
フェイクグリーンはもう少し足しても好いかなー。他人の意見も聞いてみたい。
20
夕方の業界団体理事会参加の足で浜松町へタクシー移動、月に一度の福岡逃避で夜の福岡入り。機内で12月の福岡でのごはんの予約をするなど。ここ、なかなか席取れないらしく、一度は予定の20日は速攻埋まってしまってたんだけど、19日を押さえたあと1時間後に見てみたら空きが出てて、慌てて予約を入れた。
17
「システム・クラッシュ」マーサ・ウェルズ(中原尚哉 訳)
マーダーボット・ダイアリーの邦訳4作目。前作は短編集だったので、連続したお話としては2巻目「ネットワーク・エフェクト」の続き。随分間が空いてしまったので冒頭に前作までのおさらいがあるものの、再度話に入っていくのには少し時間がかかった。内容的にはネットワーク的に閉鎖された極地での複数パーティー連携チームと企業側とで遺棄された植民星の住人を、片や救出、片や隷属目的に争う...というもので、マーダーボットこと"弊機"の一人称視点独り言スタイルは変わらず。それなりの臨場感はあるが、SF的な面白さってわけではない。Apple TVでドラマ化再始動ってことらしいけど、この独り言スタイルを映像化できるのか。思考宇宙船ARTのキャラを生かすと面白いかもだけど。
16
日帰りで宮崎。回収必要なものがないか最後の確認と福岡への発送。古い家族写真とかアルバムは、この際捨ててもいいかと思ってたけど、やっぱり福岡に送ることにして箱詰め。母の卒業アルバムが出てきて驚くなど。あと、ちょっと人に言えない物などが出てきて、切り上げることにした。小雨の中、おぐら瀬頭店まで歩いてチキン南蛮食べる。雨そこそこ降ってて流しのタクシー皆無、結局駅まで歩いてタクシーに乗って空港へ。19時20分発JAL最終便で東京に戻る。珍しく定刻運航。帰宅22時過ぎ。
14
午前中から夜の会食まで来客の連続。対外事業責任者モードでテンション上げ続けたあとの気持ちの落ち込みに、会食のアルコールもあってか、グダグダな精神状態。気分転換にPrimeVideoで観始めたダンダダン」が面白くて、ついつい5話まで。あー、今季のアニメは面白いものが比較的多いですね。夏目友人帳の新シーズン物語シリーズ(オフ&モンスター)も相変わらず好いけど、個人的な収穫はネガポジアングラー」。趣味女子モノはピンとこないので、こういう日常設定で趣味極めてる丁寧な話が今の気分。
10
「スーフィー イスラームの神秘主義者たち」ティエリー・ザルコンヌ(東長靖 監修、遠藤ゆかり 訳)
原題は「la Soufisme Voie mystique de I'islam」、2009年刊で本邦訳版は2011年刊、創元社の知の再発見双書。写真と絵の解説が各頁カラーで収録されてて、読み進めやすいガイドブック。イスラム教発祥から間もなく8世紀に出現したイスラム神秘主義の成り立ちとその構造、ユーラシアに広がり世俗化する歴史をポイントを押さえてなぞっていく。原理主義的ではなく、むしろ大陸のさまざまな宗教を取り込みながら、主に12世紀から13世紀の間に、トルコを中心とした思想家たちが独特の思想体系を創っていったというのがよくわかる。逸脱と混交、一方で形式的な構造による袋小路、その歴史は魅力的。本書は思想について掘り下げたものではないけど、資料編で丁寧に解説されてて非常に便利な一冊。
09
「幽玄F」佐藤究
昨年かなり話題になった佐藤究の直木賞受賞後第一作。空を飛ぶことに憑りつかれた寡黙な少年は航空自衛隊のエリートパイロットになり最先端のファイターF-35Bを操るようになる。音速を超えた高G機動をものともしない彼が辿る数奇な人生。もとになったのは三島由紀夫の「F104」という空自戦闘機での超音速飛行同乗記ということですが、自分はそれを読んだこともなく、三島の熱烈な読者というわけでもないので、むしろ航空少年だった自分の少年期をフラッシュバックしながら一気に読んでしまった。呉明益「自転車泥棒」を彷彿としたり、バラードやプリーストの航空機に対する執着を思い浮かべたり...。短く切られたエピソードが続く文体のスピード感、宇宙に流れる大きな時間と人間が生きる時間の流れ、さらに一瞬の判断で展開する航空機動のコントラストが、真言仏教的な世界観と重なって、透過する紺青の成層の色に繋がる。勝手な想像のなかでの三島の思想を考えてみるのも面白い。
07
「マン・カインド」藤井太洋
第53回星雲賞日本長編部門受賞作。帯に"SFマガジン連載版"とあるのは機龍警察みたいに完全版とかが今後出るってことなのかな。"公式戦闘"(規則にのっとって戦闘員のみで戦闘を行い勝敗を決める)が紛争解決の手段として一般化した米合衆国分裂後の2045年、南米の国境紛争に従軍した記者は、ゲバラに心酔してるという公式戦闘アドバイザー率いる独立都市軍とそれを潰そうとする国家から受託した軍事企業部隊の戦闘で、あってはいけない捕虜虐殺を目の当たりにする。彼が書いた記事は事実に正確に基づいているにもかかわらず、一般化した公的ニュースの厳格なファクトチェックに何故か弾かれ配信できない...なぜ? ってところから、人類全体を揺るがす陰謀が明らかとなり...。ミステリ要素は濃くなく、比較的早い段階で謎解きは見えてしまう。最後に大ドンデン返しがあるわけでもなく、ストーリーテリング自体は肩透かし。公式戦闘と量子コンピューティングによるファクトチェックが一般化した世界、合衆国が凋落し地政学的状況が一変した近未来、つう藤井太洋がこれまで書いてきた数々の短編を集大成した...っていう感じでしょうか。ディテールの情報密度は濃く、SFプロトタイピング的な作品という気がします。まあでも...正直、星雲賞なのかなあ...って感想。
06
米国大統領選で一喜一憂する心境ではもはやないけど、結果出ました。ドナルドがハリス氏に大差で勝利。共和党への政権交代。
04
「スメラミシング」小川哲
出たばかりの新著。タイトルの長編かと思ってたら、既出の短編集。NOVA2019年春号に入ってた七十人訳聖書にまつわる傑作から、神を主題にした、タイトル作を含む4作に、切ないディストピアSF「ちょっとした奇跡」の6作を収録。「コード・ブッダ」読んだばかりなので、異なるアプローチで描く神の存在・在り様がテーマと思しき本書とうまく繋がった感。2019年から22年の文芸誌掲載作が中心なので、それぞれ時事的な話になってて、そういうところは今出しとかないと...ってところで編まれた感じもする。サイコサスペンスから思弁SFなどなど散文のスタイルも多彩で、ホント巧いし、提示の仕方も上手だなあ...と感心の一方で(「ちょっとした奇跡」は、こんな話も書けるんだ...と驚いた)、思わず息をのむような凄みのあるところも無かったかな。NOVA収録の1話目「七十人の翻訳者たち」は凄いんだけど、既読だったので...
03
「コード・ブッダ」円城搭
副題「機械仏教史縁起」。2021年、東京オリンピックの年、名も無いコードが仏陀を名乗った...ところから始まる、新たな仏教史。12節からなるSF的仏教再構築。イーガン「ディアスポラ」を彷彿とさせる構成だなーと思って読んでたら、まさにそういう展開になり、劉慈欣「三体」ばりのエレガントな宇宙像で〆るかと思いきやオチで見事に裏切られ思わず喝采。時事的なネタや古典SFのパロディ的な要素も多々織り込まれてて、かなり読み易い本作。SF者向けという意味で最右翼では。正史をどれだけなぞってるかは不明だけど、仏教史としても巧みに編纂されてて、後半ぐっと浄土宗に寄せてくるあたりの展開はなかなか胸熱。久々の長編、堪能した。
02
29日の夕方に空路で福岡から宮崎へ。そこから延岡に移動...は、大雨の影響で日豊線は遅延。30日は延岡で事業部長賞表彰式と課長以上との懇親会。31日朝に大分に移動し、工場で同じく表彰式後、午後は若手社員との座談会二つで疲労困憊のあとの課長以上との懇親会、二次会。んで月変わって昨日の1日は午後いちまでレイトチェックアウト頼んだホテルで会議を終えて、日豊線を今度は宮崎へ下る。延岡で途中下車して駅前のワーキングスペースで会議室借りてリモート会議後、宮崎到着。実家近くの宿に入って、宮崎の人と近況話など。
今朝は宿自慢の朝食バイキングをいただいて実家へ。不動産屋と売却委託の打ち合わせと契約書捺印。空港まで送ってもらって、いつものように遅延のJAL便で東京へ戻る。日本中雨の一日。東京は涼しくなったね(宮崎は今日は一転気温28℃と真夏の陽気で変な感じだった)。

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