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イーロン・マスクのSpace
Xが飛ばした宇宙船ドラゴンが国際宇宙ステーションにドッキング。民間宇宙船の有人ミッションは初、米国からのミッションも2011年のスペースシャトル終了以来。31日の23時半ごろにドッキングポートに接続、乗員2名がISSに乗り移るまで、あつ森やりながらスマホ画面でNASA実況観てたら1日の2時過ぎ。地上では、ミネアポリスで黒人青年を膝拘束した警官が窒息死させ、それに大統領が煽るツイートしたことが油を注いで全米にデモ、暴動が拡散。このコントラスト、まさに「
危険なヴィジョン」じゃないか。60年代後半のSFアンソロジーの時代性と普遍性をまざまざと感じている2020年であることよ。
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東京含め緊急事態宣言が解除されました。うちの会社は今週末まで原則在宅勤務のルール運用。6月からは出社率20%未満で運用になるらしい。
あつ森、戸建て化。
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「危険なヴィジョン[完全版]2」ハーラン・エリスン篇
ハワード・ロドマン、P・K・ディック、ニーヴン、ライバー、J・L・ヘンズリー、ポール・アンダースン、デイヴィッド・R・バンチ、ジェイムズ・クロス、キャロル・エムシュウイラー、デーモン・ナイト。本巻は初訳(各作家の短編集に収録されてるもの多数なので、各作品が初訳というわけではないはずだけど)。第一巻に較べると、それぞれ主題は多彩だけど60年代的なテーマ濃く、エリスンの本領が発揮されてきた感あり。ポール・アンダースン「理想郷」あたりはストロングスタイルのSFで好き。ディック「父祖の信仰」は群を抜いている。
午前中に任天堂Switch Liteが届く。早速「あつまれどうぶつの森」ダウンロードして、没頭。初回ローン返済。
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「危険なヴィジョン[完全版]1」ハーラン・エリスン篇
1967年に出たエリスン渾身のアンソロジー、
邦訳完全版全3巻が2019年に出た意味って何なのか正直言って判らないけど、これまで第一巻の邦訳しか出てなかった(原書読めない)SFマニア積年のモヤモヤが(ってどのくらい引きずってた人が居たのか...)解消されたのは目出度い。その第一巻読了。
古典的名作再発見の企画が昨年あたりにあったので、確かに丁度良い企画ではあったかも。いや、こんなことでもないと自分も読み返すことなんてないし。レスター・デル・レイ、シルヴァーバーグ、フレデリック・ポール、ホセ・ファーマー、ミリアム・アレン・ディフォード、ロバート・ブロック、エリスン、オールディス、で序文はアシモフ。ホセ・ファーマーのジョイスいじり(終言が秀逸)が中編量なのを除くと、どれも短編未満の小編中心なのに、エリスンの各序文が長い。エリスンのエリスンによるエリスンのためのアンソロジー。比較的オールドウエーブ...というか重鎮が名を連ねているけど、実際、根にあるテーマが本質的・普遍的なので、個人的には古さは感じず。
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「荒潮」陳楸帆(中原尚哉
訳)
著者名の英語表記は"Chen Qiufan"。2012年雑誌で発表、単行本化13年、でケン・リュウ訳の英語版(英題「Waste
Tide」)が19年刊。英訳版を底本に中国版や著者のインタビューをもとにしたとのこと。広東州の海沿いの産廃処理を主産業とする一都市を舞台に、地場一族出身の中国系米国人の青年と地方出身の産廃処理員("ゴミ人"と呼ばれている)少女のボーイミーツガールであって、産廃ビジネスに参入をもくろむ米国資本と地場一族の駆け引き、現地の神仏的宗教が絡むサイバーパンク。ネットワーク技術に脳科学、異文化衝突、神話的世界と現実のグローバルな産廃問題。これだけ入って、リーダビリティーも高く、これが処女長編だとはとても思えない。
この間のバチガルピも傑作だと思ったけど、これはその上いく傑作。中国SFが俄然注目されてる昨今だけど、凄いことになってるなあ。
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「キャプテン・フューチャー最初の事件」アレン・スティール(中村融
訳)
原題は「Avengers of The
Moon」、2017年刊。カバー絵は鶴田謙二。図らずもアレン・スティールの初邦訳書。キャプテン・フューチャー・シリーズのスタイル..パルプSF風味はしっかり押さえつつ(なので所謂リブート物にありがちなシリアス路線や現代風路線ではない)、成人まで引き籠って育った童貞好青年のヰタ・セクスアリを描いてもいる(笑)。
続巻に期待するかと言われたら、これでも十分という気はするけど、鶴田謙二カバーで文庫版なら買うんだろうなあ。
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「蚤とり侍」小松重雄
数日前暇つぶしにamazonで観た「
のみとり侍」(2018年)の原作を読んでみたくなったので。巻末には、映画完成を見ず亡くなった作者への鶴橋監督の一筆が解説で入っている。初出1987年の短編集(単行本)で、読んだのは2017年の光文社文庫版。6本収録の冒頭が表題作。続く2本は連作になってるが、基本的に田沼意次時代くらいの共通点。武家だったり庶民生活だったり、どれもすっと読めて心に残る。
映画はこのなかから3本で構成されてるんだけど、井上ひさし「
東慶寺花だより」が元になってる「駆込み女と駆出し男」に較べると、再構成がちぐはぐ(それで原作読もうとした)。うまく纏めようとしたのが裏目に出てる感あり。「代金百枚」よりも「年季奉公」(オチが切ないが、映画は改変してもよいのでは?)の方が「唐笠一本」と繋がるように思うんだけど。
04
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「時を歩く」東京創元社編集部
編
去年文庫創刊60周年で出た書き下ろしアンソロジー2冊の時間SFテーマの方(
もう一つは宇宙SF)。松崎有理、空木春宵、八島游舷、石川宗生、久永美木彦、高島雄哉、門田充宏の7名で、創元SF短編賞関係の新進作家共演という趣向らしい。タイムトラベルものから悠久の時間自体をテーマにしたもの、メタフィクションまで。どれも力の入った佳作で、読み応えあり。円城塔風の"ABC巡礼"(石川宗生らしい)、イーガン風"ゴーストキャンデーカテゴリー”(高島雄哉...「
不可視都市」でも言葉は出てきた圏論ネタで、「不可視...」よりもちゃんと数学SFしてる)、ミルハウザー的な怪談"終景累ヶ辻"(空木春宵)は、着想や作風が意外で好み。全体的には0年代以降の色というのがはっきり出ている。
緊急事態宣言は5/31まで延長。聞きかじる情報からは国内の感染拡大は抑制されている感覚はあるものの、
集中治療リソース逼迫が深刻なのは間違いない。仕事でもCOVID-19関係の比重が増しつつあり、一方で在宅で目にする昼夜の一般情報番組の粗さは聞くに堪えず。ネットもTVもほどほどに。
02
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「神の水」パオロ・バチガルピ(中原尚哉
訳)
「
独ソ戦」でちょっと大戦モノに飽きたので、SFに戻る。原題「The
Water Knife」。米国で2015年に出版され、邦訳が同年に出てる。短編集「
第六ポンプ」に収録されてた「タマリスク・ハンター」を拡げたもので、地球的旱魃により水の争奪で分断されつつある近未来の米国西部が舞台。舞台はアリゾナ州のフェニックス、自ら巨大環境複合都市を所有し権謀術策に秘密工作部隊を駆使してコロラド川の治水権を独占するベガスの企業から派遣された男と、地水をほぼ持たず崩壊しつつあるフェニックスでその有様を報道し続けている女性ジャーナリスト、家族をなくし友人と生を繋ぐのにやっとな少女...の物語が交錯する。その後の世界...というか、機構的災厄に壊れていく世界と社会を描くのはホントに巧いし、今作はヒスパニックの宗教観も交えながらというところが興味深い。何よりオチが見事。この結末は真に現代的。
ところで、アンヘルはジョン・レグイザモのイメージなんだけど、ルーシーは誰かなあ...30代のロザムンド・パイク?というくらい、そのまま映画にできそう。リーダビリティも高い。
01
環境整ったので「AKIRA」4KリマスターセットのUltraHD-BDを観る。先週末に届いてBD版はPS4+旧Viera(今は昔のプラズマディスプレイ)で観たので、その記憶と比較。端的に言って、色味と奥行きは数段違い。4K有機ELの効果か、UHD-BDのレゾナンスか、AVマニアではないのでそこを掘る気はないとはいえ、ようやく観たいAKIRAが観れたと、心密かに感動。視聴環境アップグレードの価値は十二分。「2001」に「ブレードランナー」などなど、4Kで観たいソフトが溜まってるので、外出自粛のGWで愉しみたい。
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