This is POP!! | ©gaburu
Next Month03 '16
30
いつもの電車通勤のはずが、郊外線(Sバーン)のハウプトヴァッヘ駅が閉鎖されてて、2回乗り換えの大廻りで出勤。テロ予告とかではなく、イースター期間中の駅工事らしい。そんなこんなで、あれこれ調子でないまま赴任1年目が終わる。

「月世界小説」牧野修
日本語の存在が抹殺された並行世界を舞台に、旧約聖書的な神と特異言語の闘いを描く...って一言で言おうとすると何のことやらな話。70年代安保闘争とのシンクロが前半の展開なんだけど、読んでピンとくるのは齢50代以上じゃないかなあ...ポップな表紙に騙されたはいけない。言語ネタは好物なんだけど、書き言葉だけが暴走してくノリ(最近の関西SFの特徴?)に、ついていけず。
29
20日(日曜日)の午後からマンチェスター入り、翌朝に英国支店の一堂集め事業譲渡と支店閉鎖の通知を行う...フランクフルトに取って返して出社、ミーティング後再び空港へ戻り日本へ。22日(火)午後に成田着、羽田に移動し宮崎行きのJAL最終便、最終の宮崎空港発急行列車で延岡入り22時半過ぎ。水曜日、木曜日と工場査察の緊急事態待機要員。結局出番はなく、木曜日午後の電車で大分に移動し休暇入り。散髪のほかは撮り溜めてもらってたアニメ観て過ごす週末の後、日曜日(27日)最終便で東京入り、月曜日(28日)本社出社、夜はW嬢を囲む会...二次会は場所を移して3時まで聞き役。7時過ぎ起きから、荷造り、成田に移動の途中、週末に夏時間に入って成田発が1時間早くなってるのに気づき焦るが、搭乗時刻1時間前のチェックイン...てことで、フランクフルト着16時過ぎ。直帰。

「昭和陸軍全史3 太平洋戦争」川田稔
いよいよ太平洋戦争に突入していくまでの陸軍内、陸海軍、政権から米ソ独との駆け引きを追う最終巻。通してみると、政党内閣が終焉し国家運営が実質軍主導になった時点(1巻の最後)で、対米戦は不可避であったように思える。ここから俯瞰する大戦史の中でソ連が大きな鍵であったわけだけど、ノモンハン事件についてはほぼスルーされてるのに(2巻になるのかな)違和感が残る。しかし、この間の「ナチスの戦争」も然りだが、1942年後半には日独ともに実質勝ちは無いことが両者分かっていたにも関わらず、その後3年弱も続けてしまったのは(日独それぞれ原因違うとはいえ...日はイニシアティブの欠如、独は独裁への病的依存)惨劇としか言いようが無い。 
19
出社して経費精算。夕方は、オーボエ奏者でクラシック好きの駐在員U君の誘いで、旧オペラ座でのコンサート、イギリスの古楽器楽団と合唱団、歌手による「ヨハネ受難曲」。2時間は長い...が、知らない楽器も出てくるし、歌い手の掛け合い、楽団と合唱の音圧など、面白かった。コンサート前の晩飯で空きっ腹に入れたビールのせいか、途中一寸頭痛が...。機会があれば、ストーリーやバロックの知識を入れて、体調万全で臨みたい。ハウプトヴァッヘに移動し、反省会。乾いた喉に流し込んだジントニックが効いて、酔っ払ってしまった。
18
昨夜の某プロジェクト出張者御一行との会食の帰り遅くなり、お疲れのまま今朝の通勤は空港経由、午後に使うレンタカーをピックアップ。正午半過ぎに会社を出てメルスンゲンまでO君を乗せて約2時間の運転、途中2度の事故渋滞。1時間半ほどの打ち合わせ後、日が長くなった夕方の7号線をフランクフルトに下る。空港で車を返して帰宅。要確認なメールあり、チェックしようとしたら、WANアクセスのセキュリティ強化対応手続き不備で繋がらず。力が抜けたところで、ペトロールズ「Renaissance」のまったりグルーヴ。
16
成田発4時刊遅れのフライトで、15日(火)の提携先との四半期会議のためドイツ入りする現上司、4/1からの上司を空港にF氏と迎え、レンタカーでゲッチンゲンへの夜の運転が14日(月)、会議を終えて今日は再び運転2時間ちょい、11時前に会社に戻り、空港へ車を返しに行く。疲れてるので、18時半過ぎには会社を出て帰宅。出張中に届いたアレサ・フランクリンのコロンビア盤箱から「Aretha」を聴く。声、すげえなあ。追加収録のリハーサルの喋りすら、カッコいいもの。レイ・ブライアント楽団の演奏も自在でキマっている。

この間のヴェネチア出張イヤホンを無くしてしまったので、同じくShureの、然し今回はSE846を購入、これも本日到着。いやー、ここまで来ると、価格相応の音なのか?なんて話じゃないんだけど、遮音具合と低音の無理ない響きは、好み。そうそうX5の納車日も決まったのでした。
13
どこをどう辿ったか、中学校時代の同級生からFacebook経由でメッセージが。中学校同期のコミュニティがあって結構連絡取り合ったり呑み会が開かれてるらしい。懐かしさがないわけじゃないわけではないが、正直あんましピンとこないんだよね、宮崎時代(高校時分の部活は楽しかったが)。俺なんて、顔出しても誰?ッて感じだろうし。
夕方、明後日の提携先との会議のため出張してきたF氏を迎えに空港へ出向き、宿にチェックインさせて街中まで晩メシ喰いに出かける。いつもの飲茶屋。帰ってきて、朝の気分を引き摺りながら坂本慎太郎の「幻とのつきあい方」を聴く。
12
「ソビブル、1943年10月14日午後4時」クロード・ランズマン監督
SHOHA」に収録されなかったソビブル絶滅収容所武装蜂起に関するイフェダ・レルネル氏の証言に映像をつけた102分。「SHOHA」では、実現されなかったアウシュビッツ収容所の蜂起の話が出てくるが、このソビブルは武装蜂起としては唯一成功したという。文章ではなく、また映画ではなく、生存者の語りと映像で構成される意味を考える。
11
T社のO氏と初対面の同僚氏と晩メシはアフリカ料理。人気の店らしく、ドイツ人らしき客が引きを切らず。やや、気がつけば腰痛著しく回復してるような。
10
昨日の午後からヴェネチア出張。昨晩はヴィチェンサ近郊に住む伊支店のASc夫妻に支店長のASiと招かれ、郷土料理の小鳥の串焼きを馳走になる。丘の上の邸宅は一昨年結婚した奥様の持ち家、玉の輿やあ。今日は朝から会議、夕方フランクフルトに戻り、営業部長、英支店長と経理M氏の四人でひげ松。

「昭和陸軍全史2 日中戦争」川田稔
満州事変から2.26事件後までの政変を追った前巻から、日中戦争に突入し大東亜共栄圏構想ができるまでの太平洋戦争前夜に至る陸軍内派閥闘争を描く本巻。ハルバースタムの傑作ドキュメンタリーとは違って、軍本部の人事と派閥思想の対立を追いかけてるだけなので、戦争自体は殆ど描かれず、臨場感に欠けるが、逆にそんなところ(軍部のイデオロギー闘争)で戦線が拡大し、後付のストーリーで後戻りできなくなる様が本質であったという見方は、興味深いやら呆れるやら。武藤閥の世界最終戦思想と"国防国家"への邁進振りは、今日の日本にも重なるなあ...。
07
腰痛は小康状態(?)。早起きして電車/ICEでゲッチンゲン日帰り出張。東京で買ってきた贈り物を本人不在のデスクに言伝て午後2時過ぎにフランクフルトに戻り、仕事に戻れば夜になる。

この間のブーレーズに続いてアーノンクールの訃報。ゲッチンゲン行き帰りにハイドン、ヘンデルを聴く。行きの車窓から見る雪積もる白い森と草原、村々の景色にハイドンの「四季」。地勢と音楽を結ぶ必然に少し想いを馳せながら。
 
06
朝9時から、フランクフルト日本人会のフットサル大会。男女混合の部11チーム中6位だそうで、良いのか悪いのか微妙な順位...。年齢を痛感。午後1時前に帰宅しスカイプで家族の顔を覗いた後、ソファの上で午睡。夕方に起き、大会のためベルギーから出張で来てくれた系列別会社の助っ人お二人とMUKUで晩メシ。

攻殻機動隊ARISE、1話から新劇場版まで。画風の違いとか声優の違いを、何かと「SAC」に比較されるのは致し方なしだろうけど、最初感じる違和感には慣れてしまって、これはこれでありかなあ...と。サイトーのキャラ設定は、SACでの某エピソード(これが一番好き)を考えると、どうなのよ...って気は最後までしてたけど。作画のバラつきもSACより断然良くなってたが、トグサはたまに瞬きする..くらいの細かい演出があるとカッコ良かったのにね。軍産複合体の戦地ビジネス、人体実験...つうネタも時事的でかつSACとの整合性、親和性もあって巧く出来てたし、オモシロかった。んだけど、士郎正宗版は基本おちゃらけたテイストが強いわけで、シリアスに行かずそっちに振るって冒険があっても面白かったんじゃないかなあ...と、ちょっと妄想。
05
フランクフルトへの戻り機内で読了、アン・レッキー「叛逆航路」(赤尾秀子 訳)。7賞総嘗め...7賞って何だっけ?はさておき、これが処女長編とは。「銀河帝国の興亡」を初読した時の感覚...からミエヴェルの「言語都市」、ル・グイン、ウルフ...名作叙事詩SFの系譜、世界観の練り上げが半端ない上に、言語の端まで拘ってるところが、ツボ。一人称の語り自体がストーリーの鍵だったり、読者の想像に任せるように巧く出来てる。まあ、哲学風スター・ウォーズ的スペオペという見方もできるかも。続編、愉しみ。

腰痛は一寸だけマシに。高額医療費控除(かみさんの歯科治療費)のため、確定申告書類を書いて、会社に出かけ印刷、日本へ宅配便で送る段取りで半日費やす。帰宅後は、今回日本から持ってきた攻殻機動隊ARISE(1-4+新劇場版)を一気観賞。
04
先月25日の夕方に会社を出て26日午後成田着、空港警察署で落し物のiPhone6を受け取って、羽田に移動→大分。27日土曜日は高額医療費控除の領収証整理。28日の夕方に東京に入って、29日に会議で冷や汗、1日(火曜日)は3月に辞めてしまう提携先ドイツ工場のエンジニア氏への贈り物を探して新宿から秋葉原を彷徨い、2日の正午過ぎの便でフランクフルトに戻る。3日朝イチ便で日本からの出張者とベニスに飛び、イタリア支店長の車でミランドラ午後1時着からの提携先とのランチと会議、夜は別の提携先と契約書の打ち合わせ兼夕食。様子可怪しかった腰痛がイタリアでとうとう限界、1ミリも前屈できない状態に。フランクフルト事務所戻りは午後1時前、溜まってた仕事や打ち合わせで独り居残り。帰宅してバンテリン3枚貼り、カップ焼きそばの晩メシ虚し。

1周間ぶりに出社するとamazonから届いたCDが机の上に溜まってる。中の一枚、ノルウエーのバイオリニストVilde Frang嬢の新譜がとても好い。コルンゴルド(初聴き)とブリテンのバイオリン協奏曲。ジャケ買いですが(美人!)、コルンゴルドの映画音楽的な導入部分から出張疲れの体にすっと入ってくる感じ。選曲の妙。
 

2013年xx月