31
散髪。
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「天界の眼
- 切れ者キューゲルの冒険」ジャック・ヴァンス(中村融 訳)
原題「The Eys of
Overworld」、60年台半ばの"サイエンス・ファンタジー"(と言うらしい)。盗みに入った先で捕まってしまい代償として"天界の眼"を手に入れてくるように遠隔の地に飛ばされてしまった三文魔術師キューゲルの、悪徳を尽くしながらの帰還の旅路。異型となった人類の末裔らしきが棲む地上を彷徨う話は、
ジーン・ウルフへの影響を伺わせる。初期のテーブルトークロールプレイングゲームの雰囲気もあり。画にしてみたくなるなあ。
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「ヒュレーの海」黒石迩守
第四回ハヤカワSFコンテスト優秀賞受賞作。発掘された無機生命を用いてデータスフィアとしての地球圏にアクセスできるようになった人類、然し"混沌"により地表は崩壊、点在する7つの柱状構造物に階層化して生存している遠未来..."国家"に属さない技術屋集団ギルドに属する少年・少女が世界の有り様を変える...いわゆる世界系ストーリー(雑に纏めました)。選評が巻末に掲載されてて、東浩紀、小川一水氏に付け加えることは何もなく。無理矢理な比喩の連発、アニメ的過ぎる展開と饒舌過ぎる説明的台詞...この何も残らない感。カバー画が秀逸です。
Jakub
Rozalski。
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「誰が音楽をタダにした?」ステファン・ウィット(関美和
訳)
mp3の開発、音楽データのフリーシェア、音楽産業の盛衰を追うドキュメンタリー。"違法ダウンロード"の拡大がラップのメインストリーム化とリンクしてるという描き方は面白いし、最終的に音楽産業自体もビジネスモデルの転換に辿り着くまで書いているところもフェア。90年台終わりからのmp3の一般化過程をリアルタイムで経験してるので、そういうところも面白く読めた。印象を随分訂正。それから、基本、ロスレスでダウンロードできるものをCDで買うのはもう止めようと思いました。
長女の誕生日プレゼントは
SONYのワイヤレスヘッドホン。気に入ってくれたみたい。彼女も、↑で終盤に出てくるように、もうCDは買わずダウンロードもしない、Youtubeがあればいい派というか世代(?)。
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「ローグ・ワン」観に駅ビルの東宝シネマ。ちゃんとクロサワ・オマージュなキャラと筋、端折り気味だが好く言えばテンポ良い展開。面白かった。伝説の三部作続編てことで肩に力入った感否めない「
フォースの覚醒」より楽しくて好き。
[
追記]
キャリー・フィッシャーが亡くなった。本作でも、クレジット最後の"thanks
to"の一番最後に名前が出てました。ご冥福をお祈りします。
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「ハリー・オーガストの15回めの人生」クレア・ノース(雨海弘美
訳)
キャンベル賞受賞作の時間モノ...というかリプレイ・モノ(イベントに遭遇するとまた特定の時間に戻ってしまう...「
オール・ユー・ニード・イズ・キル」みたいな)。死ぬと記憶をそのままにまた誕生時点に戻ってしまう主人公ハリー・オーガスト、15回目までの人生の話(タイトルのままじゃん)。同じような人達("カーラチャクラ"と呼ばれる)が一定の割合で生まれるため、実は過去から未来の時間の人類史の裏に、そういう人々のコミュニティが連綿と存在していた...という大設定。繰り返されるハリーの生を追うロードムービーのようでもあり、科学と倫理、不死と生、進化と安定に関する問いでもあり。読み物としても面白いし、色々と最近考えることとリンクするところもあって、500頁強だけど好い読書体験だった。
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「テキサス・ナイトランナーズ」ジョー・R・ランズデール(佐々田雅子
訳)
久しぶりのランズデールは、1987年刊長編二作目のシリアルキラー・ホラー。逢魔が時に疾走する黒のシェビー、森と湖畔の保養地、連続殺人、そして声。謎解きも、どんでん返しのような展開上の仕掛けや技巧はなく、ひたすら非都会的な(だからこそ際立つ)暴力と闇。この不気味さ、ホンモノ。 ...長編はここんとこ邦訳が途切れてるんですが(短編はちょこちょこアンソロジーとかに)、何とか出してくんないかなあ(
ハップ&レナード・シリーズも)。
三者面談。長女のiPhone画面割れ対応でdocomo(保険に入ってるので同機種交換で8,100円也)。勇者ヨシヒコの最終回(めでたしめでたし)。
クリムゾン箱のリッピング(今度こそ最後...)。
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「維新風雲回顧録」田中光顕
高杉晋作に師事した土佐の志士が晩年、維新時の6年間...戊辰戦争開始までを回顧したもの。初版は1928年、再刊1968年。田中光顕氏の名は「
維新俠艶録」にも数頁出てきたので、続けて読んでみた。暗殺、切腹...剣で尊皇攘夷を成そうとする青年志士群像を、現代から時代全体を俯瞰した中に位置づけるのはフェアじゃないのは重々承知だけど、革命の熱に浮かされる姿と思考には正直引いてしまうところも多々。維新の側の群像に興味はあんましないんだよなあ...初期明治政府の内情をむしろ知りたいので、そっちの回顧録を読んでみたいんだけど(勝者側だけにむしろ書けないことは一杯ありそうだけどね)。
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20日夜の便でフランクフルトを出て21日に東京着(キャンペーンのプレエコ席予約だったのをビジネスクラスに上げてくれたので、そこそこ快適)、新宿御苑傍の宿入り。22日は会社に寄り、23日は朝から小田急沿線で家探し後、
夜はWと鮨食って、今日の朝2便目で大分に到着。冬休みに入りました。
今回、届いたばかりの
ナイキのTrain
Force Flyknitを移動の間に
履いてるんだけど、右の踵(アキレス腱のあたり)が靴擦れてバンドエイドを貼る羽目に。公式ページとかでも同様の症状で評価落としている件が結構見られ、これは使ってみないと判らない点。踵部分をゴムで成形補強してあるのがイケナイんだけど...。
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「維新俠艶録」井筒月翁
幕末維新から明治政府初期に活躍した傑物達の"遊び"の記録...とにかく英雄色を好むのがよく分かる(伊藤博文の登場回数が一番多い...流石)。一応筆者が聞き集めた芸者達の話を元に書かれた正史の傍話(一応実際の維新・明治史に沿って纏められてる)、維新史や人物像がより立体的に感じられて面白い。祇園に、江戸/東京、横浜...命を賭した反動というのもあるのかもしれないけど、皆ホントに好きだなあ...そして女性は一途で強い。
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「ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン(上)(下)」ピーター・トライアス(中原尚哉
訳)
WW2で枢軸国が勝利した世界、旧米国西側は日本統治下。話はWW2末期1948年の米国日系人収容所が日帝軍に開放されるところから始まり、その40年後が主舞台。帝国軍検閲局に務める主人公/日系人大尉に以前の上官であった退役将軍から特殊な方法で入った連絡が、サンディエゴに籠もり抵抗を続ける解放軍と占領軍の因縁の筺を開ける...。米国人が書く日本占領下の情景は、やはりディテールの描写の機微が無いためCGのような質感になってしまっているんだけど、実はそれも狙いじゃないかという気も。日本の漫画やアニメの影響が強く感じられる異形のIF世界、然しその奥に泛ぶのは、平和に辿り着くことができない世界の混沌と希望の無さ。
ポップグループの2ndアルバムタイトルを彷彿。終章の行を目で追いながら呼吸が止まる感じを、何と表現すればよいのか。
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日帰りベネチア出張。
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朝の二度寝の微睡みの中、大学時代に付き合ってたAが夢に現れる。随分久しぶりに顔姿形を思い出して、起床後しばし呆然。
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「ビビビ・ビ・バップ」奥泉光
ネットウィルスの世界感染後再び高度情報化社会を迎えた未来、巨大企業によるグローバル支配下での貧富格差社会...とは言え、音響設計師なる副業で食べてる女性ジャズピアニストの主人公が、クライアントである機械系コングロマリットの創業メンバーでもある紳士に依頼された仮想空間での生前葬ピアノ演奏依頼は、世界を揺るがす大事件の幕開けだった...てなお話で、カバー画や帯にもあるようにエリック・ドルフィー始めジャズ・ジャイアント面々に志ん生、談志、横尾忠則らが跋扈する。しかし661頁は長いわ。特に感想はありません。ああ、最後に演奏してくれて良かった...とだけ。
09
8日の朝7時発ヒースロー行きでUK出張、行き先はケンブリッジ。郊外のデザインファームで昼食挟んだ打ち合せは午後2時過ぎには終わり、チャーチルカレッジ内の宿泊施設にチェックイン、夕方、翌日のミーティングメンバーが合流し会食、少しだけケンブリッジ市街散策。今日は朝から午後3時過ぎまで昨日とは別プロジェクトのミーティング後、大型リモでヒースローへ戻り、日本から出張のS氏と別れ、フランクフルトへ。帰宅23時前。何故か眠れず、夜更かし。
07
Skagenのスマートウォッチを買った。デザインや好し、然し売りのヒトツであるスマホのリモート操作設定で写真撮影が設定できない...(時計側のボタンを押してもiPhoneの音量調整が起動するのみ)。iPhoneアプリ側の不具合でしょうかね。写真撮影はアサインせずに、"スマホを鳴らす"に設定すると問題なく機能。まあ、これでいいか。iPhoneと同期するので、移動先での時間合わせも操作不要。
219ユーロ也。
06
会社のクルスマスパーティ。
有名な日本人パティシエ女史のスイーツ店2階にある日本料理屋を貸し切って皆で寿司(いわゆる"巻き”っすね)を作って食べる会。年末に退職する眼鏡美人TK最後の幹事行事。盛り上がってよかった。
04
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「犬は勘定に入れません(上・下)」コニー・ウィリス(大森望
訳)
副題"あるいは、消えたビクトリア朝花瓶の謎"、原題「To Say Nothing of The
Dog」(原著は1998年刊)。文庫版で読む。「ドゥームズデイブック」に続くタイムトラベル・シリーズ(なのか?)。オックスフォード大の時間旅行歴史探索チームが、今回は、WW2での爆撃で消失したコベントリー大聖堂の復元プロジェクトで過労の主人公、別プロジェクトでビクトリア朝後期に探索に行ってた女性研究員が猫を連れ帰ってきてしまったことで始まる騒動に巻き込まれ...犬と猫がサブキャラで活躍(?)する、文学パロディ満載のスラップスティック・コメディ。良質なドタバタ劇の体で、時間旅行を使い思考実験することで"歴史"をメタフィクション化するという画期的な構造を持つ、コニー小母さんの頭の中はどうなってるのか。正直、日本人なので英国史や西洋文学引用の機微が判らないところあり、ホントの面白さに辿り着けて無いもどかしさは感じるけど、読後の余韻は流石ですわ。
泥まみれの靴を洗ったり、Youtubeでライブ配信中のM1を見て過ごす日曜日。
03
快晴。
FBのドイツ美景色紹介アカウントでよく表示されるエルツ城(Burg
Eltz)に行く。フランクフルトは晴天なれど、コブレンツ手前から濃霧の中を走り、ヴィアーシェム村(Wierschem)に
到着は11時半前、村外れの駐車場に車を駐め、外に出ると、気温0度C。
霧の中、凍てつく畑の中を歩いて森の中に入ると、
木々や路傍の枯れ草花に白い蜘蛛糸のようなものが...
水滴が滴下の過程で繊維状に凍ったものみたい(触ると融ける)。不思議な光景。沢に下っていくとセセラギの音。再び上り道を辿っていったら、
「狩猟につき立入禁止」の表示にぶつかる。朝8時から午後2時までだそうで、どおりで発砲音が木霊していたわけだ...しかし途中で会ったハンター姿のオジサンは、「先行ってもいいの?」と聞いたら「Ja」と言ってたのに。1時間半ほど時間潰しが必要...てことで、森の中に入って暫し散策。午後1時半頃にはハンターの皆さん撤収の気配あり、ルートに戻って、エルツ城へ。
エルツ城着2時前。4月まで中には入れないんだけど、それより遠景...特に上からの俯瞰を撮りたくてRX1を持ち出してきたので、対面にある小山上の廃墟に藪かき分けつつ登る。城門まで繋ぐ石橋の奥に城郭・塔が固まる綺麗な城容...
背景の山上が凍る森で白くなってるところが、また冬らしくて好い。
ひとしきりシャッターを切った後、城に下り
正面からパチリ、舗装路を登って先へ...途中で、どうも予定のルートと違うのに気付き、再度城に下って石橋横から川沿いに下り、対岸へ渡ってヴィアーシェムに戻る山道に入る。後はひたすら歩くのみと思ってたら、山中ホテルから村のあるレベルまでの登りがなかなかの傾斜で脚がガクガク。畑に出ると、
再び濃霧の中で凍る大地。暗くなっていく中、霧の中のハリネズミになったような気分。エルツ城から駐車場への戻りのほうが実際には長いんだよね。車に戻ったときには、
もう真っ暗。
5時間44分、17.66km、消費2,573kcal(リンク先のログ地図は、ストップし忘れたため、帰りの車行が入ってしまってます...Movecountはログのルート編集できないのが欠点)。
帰路は、日が暮れた後の濃霧で、なかなかスリリングな運転でした。疲れたー。一寸休んで、洗濯、買い物。
02
長かった一週間。月曜日(11月28日)の採用面接3件で始まり、出張者との会議と会食の火曜日、終わらぬ資料作り夜残業で水曜日、昨日今日はデュッセルドルフに車で往復し現地法人集めた会議でプレゼン、合間縫って採用面接、夕方会社に戻って某プロジェクトの依頼電話会議。こんな感じの一週間が続くと一年があっという間に過ぎるのよね。
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