1stセットは、氏作曲の現代音楽曲をクラシック系の音楽家が演奏するという趣向で、エヴァン君は2曲目のシンセ・ドローンを背にトロンボーン演奏で登場。他にラップトップ自動演奏や、ヴァイヴ(ジェイソン・アダジービッツ)+ピアノのデュオなど。2ndセットはジャズ...バーマン(tp)、アダジーヴィッツ(vb)、ハトウィッチ(b)、ライアン(dr)に本人という編成。比較的短い曲に各々のソロを挟みつつという定番的構成なんだけど、メロディとビートのセンスが独特。ディラン・ライアンのドラミングは、久しぶりに見たけどやっぱり面白いなあ。
終演後、エヴァン君に紹介してもらってデイヴ氏と一寸話す。ハークラネウムの最新作が出たところだよ...とのこと。これは買わねば。→Clean
Feed Records
今朝は7時開演の"Break of Day in Molde"を観るため6時起き。寝惚けたまま丘を登って屋外劇場へ。毎年のイベントらしいんだけど、今年はアーヴェのカルテット...ヨン・バルケにテリエ・イスングセト、スヴァンテ・ヘンリソン、踊りのテレサ・スカウゲ。バルケのアナログシンセが浮遊する中、アーヴェとテリエの掛け合いが盛り上げる。最後は客席立たせてストレッチ。今回フェスでも屈指の名演でしたね(野鳥の鳴き声も手伝ってたし)。
目が覚めてしまったので、一日券のリストバンドを貰いに市役所へ行ったり、港(観光フェリーの寄港地)でぼおっとして時間潰して、次は2時開演のトニー・マラビー(昨日観た"Overseas"のサックス奏者)の2ベースカルテット(オプスヴィクxインゲブリクトにドラムスのジェラルド・クリーヴァー)。強力な2ベースの作る催眠的な音場に、マラビーのサックスが気持ちよく乗っかる。針が振り切れるような強烈さは無いけど、インゲブリクトのビートに牽引されるようなテンション高い演奏に、大満足。これでアルバム1枚、モノにしませんか?
4時からは、マリリン・クリスペルのピアノ・ソロ。現代音楽風の即興から北欧的な旋律へ展開していく...ピアノの音が心地良過ぎて眠り扱けてました(デジ一眼も録音機も充電につき手ぶらで、多分フェス中一番リラックス)。約40分強の1曲目が終わり、2曲目が始まったところで会場後に...次のクライムタイム・オーケストラが6時開演(開場5時半)なもんで。前面にニルセン・ラヴxパー・オドヴァル・ヨハンセンのツインドラム/インゲブリクトxマッツ・アイラートセンの2電気ベースを配し、後ろに管6人、横にシンセ(クリスチャン・ヴァルムロード:右)、ギター(スティアン・ヴェステルハス:左...発音コレで良いのでしょうか?)というビッグバンド。いやもう凄い爆音(ニルセン・ラヴのあのパワーはどこから来るのかねえ)、ツインベースがまた凄い。重量級の2曲で、このフェス何度目かのKO。
終演後、そのまま昨日ボナ観たホールへ。ヤガ・ヤシスト、新作控えて3年ぶりの国内ライヴ。気がつくと、周囲は若者で一杯...40過ぎのオジサン日本人は肩身狭いが、しっかり録音機は手に持って観戦。ドラムの叩きまくり振りと、それを全員で強化しまくるグルーヴは圧倒的...でいて、結構メロディアス。音響系メタル・プログレ・ジャズとでも言いましょうか...これに熱狂するノルウエーの若人...シーンが活性化していくわけだね。客席は熱狂、ステージもボルテージ上がってってる感じなんだが、10時20分を過ぎたところで見切って、次の開場へ速歩。フェスの公式クロージングになるアーヴェ・ヘンリクセン・トリオ(ヤン・バングとストーレ・ストロッケン)w/トリオ・メディエヴァルを観に教会へ(23時開演)。トランペット、シンセと音響処理の男性陣はむしろ脇役で、主役はあくまで女性三人の北欧風コーラス。1時間を越える長丁場の最後はストーレのパイプオルガン演奏で終了。歌の内容が判ると、もっと愉しめたと思うのだけど。
さて、2時開始のハン・ベニンク(今日はソロ)から。今日の犠牲者は、かわいらしいガラスの花瓶..粉々になってしまいました。観葉植物は今日も受難で、今日の標的はワタシ達だったみたい..「受け止めろ!」と言われましても...。師匠、今日も面白かったです。次いでフェス・オープニングで行ったホールへリチャード・ガリアーノ・カルテット。ワタシのお目当てはリチャード・ボナ...流石に歌は無かったけど、さり気なく凄いフレーズ弾いてるバッキングに惚れ惚れ。大好きなんです。開演が一寸遅れたこともあって、終演は6時半前。次のブラーム・ビッグバンド(Bik
Bent
Braam)まで時間あるんでお仕事など。さて9時開演だから、1時間弱前に現地に...と着いてみたら、ドアに張り紙「開演は22時に延期です(多分、ノルウエー語わかりません)」。一度スゴスゴ部屋に戻り、23時開演のNY在住ベース奏者のバンドと被さるのを心配。出直して、一番に客席へ入るも、途中で出れるよう少し後ろの端席を確保。22時過ぎに演奏開始。オランダの手練管奏者10人がベース(ウイルバート・デ・ヨード)、ドラム(ミヒャエル・ベッチャー)を囲み、半円の端にピアノ(ミヒェル・ブラーム)を配するという即興ビッグバンド。現代音楽風インプロからニューオリンズ・ジャズ的ブラス、昨日のトロントハイム・ヴォイセズ調の対話風即興など展開面白いし、盛り上がるところはきちんと盛り上がる。残念ながら1曲聴いたところで、会場後に丘を下って、件のオイヴィンド・オプスヴィク(Eivind
Opsvik)の四重奏"Overseas"のあるForumへ。最初の2曲はいかにもNY風、で面白くなってくるのはそこからなんだが、新曲なのか、特に曲の導入部がギクシャクした感じで違和感、もっとバンドサウンド練り上げれば凄く良くなる予感。ローズをもっとフィーチャーしてくれたら、オジサンはとても嬉しいです。
9時からは、丘へ少し上った会場で大友良英六重奏団。昨日から、凄いだけど楽しい...って感じの演奏続きだったんだけど、このセットは芳垣/水谷のリズム隊にマッツ/アクセルの強力管、フラーのピアノ・システム(大友さんはギター)での「Out
To Lunch」演奏というセメント勝負。壮絶な演奏。テンションも音圧も半端じゃない、その中にどうしようもなく甘いメロディーを入れてきたり...既にオーストリア、オランダで演奏してここノルウエーという鉄壁のアンサンブルにKO。後にもう一箇所予定してたんだけど、この感覚をリセットするのが勿体無くて、今日はコレにて終了。