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Next Month07 '18
31
「遥かなる星(3)」佐藤大輔
未完シリーズ最終巻。1996年の徳間ノベルズが初出というから、本書で描かれるソ連崩壊後の世界と現実の相似性はそら恐ろしくなる。第三次世界大戦で北米・欧州が焦土化してからの日本による宙への希求とシンゴジラ張りのダメージコントロールが前巻、三巻目はトラック島に海上浮遊式の宇宙基地を建設しひたすら現実的な宇宙移民を100年計画で進めるニホンジンの姿を、ある意味純粋な集団..つか作者の理想とする民族として描いてて、未完とはいえ書き切っている感も。小川一水氏の「第六大陸」に影響与えているんじゃないかとか、この続きは「ロケットガール」で...とか、それこそシンゴジラにも、通底したものを感じる。この感覚というか想いみたいなものって、世代的なものかも。
29
9時過ぎに庶務Kさんち着、朝コーヒーの後、内夫のHG氏とハイキングに出かける。今日はカッツェンエルンボーゲン(Katzenelnbogen)からデルス川(Dörsbach)沿いをラーン川への合流地点オーベルホフ(Obernhof)まで歩く"Dörsbach-Mühlenwanderweg"。森の中、川の流れ辿って歩く、ほぼ大きな登り下りのない全体的にはなだらかにラーン川へと下っていくコース。ところどころにMühleと呼ばれる製粉所(それぞれ名前がついている)。暑い一日だったけど、木陰の下、風もたまに通るゆるやかな道をひたすら歩くだけなので、距離はそれなりだけど、きつくはない。10時半ごろにスタートして、約45分ほどランチ休憩(ヒッピーが買い取って住んでるMühleで)を入れて、夕方4時過ぎには駅着。18.84km、全5時間43分、消費1,643kcal。そこから駐車している出発点に戻るまでが結構大変...オーベルンホフからローカル電車でディーツ(Diez)下車、探し当てた停留所から日曜日は2時間に1本しかないバスに乗りようやく到着6時半前。Kさんちに戻り(約50分...HG氏の運転、感謝)、バナナシェイクなど作ってもらって談笑後、8時過ぎにお暇し、帰宅8時半。
とても良いハイキングコースなのに、殆ど誰も歩いてないのは、やっぱりアクセスがよくないからだろう...というのがHG氏との結論。オーベルンホフから直行でカッツェンエルンボーゲンまでバスがあればよいのに。
28
真昼の3時にM君と待ち合わせ。マイン川越えてザクセンハウゼンにあるジェラート屋、パイナップル&パクチー、ニンジン&生姜、オレンジ&ミントなんつう変わったモノがあって、なかなか面白い。ついでに近くのタルト屋でコーヒー。ここもシンプルで好い店。目抜き通りに戻り、スポーツ用品店で手首用のサポーターを購入後、別れて帰宅。

「宇宙探偵ノーグレイ」田中啓文
忘却の船に...」以来の田中啓文。ジャック・ヴァンスにも似たようなタイトルがあったような...と思いつつ、ネットの評判でポチる。小説宝石のミステリ特集に書かれてたシリーズもの短編を集めたもので1話分書き下ろしもあり。バカSF設定(ベイリー的ともいう)での密室トリックが基本。最後に犯人を暴くものの...という共通のオチ。SF落語に台本にいいんでないかい。
27
朝の通勤、自転車で転倒。車道に投げ出されマジ一瞬轢死を覚悟、幸いにも車は来ず。左肘膝に擦り傷程度で大きな外傷はなかったものの、左手首を外側に捻れずモノ持つ力が入らない。腫れはないので骨折とかじゃなんじゃないかと。結構不便。左手で茶碗持てないのがちと面倒だったけど、晩メシは早めにL、Mのベトナム系二人とM部長の四人で中央駅近くの中華屋。予定の店は月末まで休業中の張り紙、急遽近くの別店へ。ココがメッチャ美味しかった。
24
フランクフルトも最高気温33度C。東京ほどじゃないけど暑い。先週も出張先から慰留を続けてたO君から、やっぱり年末で退職/転職するとの結論を聞く。てことは、自分の帰国は当分先かー。
22
13日金曜日の夕方、東京出張に出かける直前、駐在員O君から転職の話。このタイミングで。東京着14日夕方、なにこの暑さ。日曜日は時差ボケで殆ど眠って過ごし(WC決勝はフランス-クロアチア、フランスが優勝)、海の日の月曜日は前日夜から具合のよくないかみさんを休日診療に連れて行く。翌17日火曜日は近くの私立医大病院へ。水曜日から金曜日は出社、連日会食。金曜日の会食は大学のゼミ同窓会。サンノゼに居る後輩の帰国に合わせて集まったらしい。たまたま私も今週帰国するのを知った後輩(奇遇なり同じ事業部で働いている)が声をかけてくれたって寸法。親友Mと数年ぶりの再会。話は尽きない。今日の帰国便はビジネスクラスにアップグレードできて快適に読書。フランクフルトは小雨、少し蒸し暑いが勿論東京よりは随分マシ。

「自由民権運動」松沢裕作
副題"デモクラシーの夢と挫折"。昔習った教科書的な板垣退助と自由民権運動像が覆る、戊辰戦争後の階級闘争としての維新史。以前読んだ「西南戦争」や「廃藩置県」と合わせると明治政府確立までの流れが見える。あくまで「運動」に絞っているので、政府内部の暗闘など歴史的重層感がないところが良くもあり、少し物足りなくもあるけど、いろいろ読んで自分なりに整理しろということですかね。何れにせよピースが一つ埋まりました。感謝。加えて維新期と現在の日本を重ねてみる視点(何があって何がないのか)にも思いを馳せると面白い。(本書執筆の切欠はその辺にあるということはあとがきで著者も触れているが、本文ではそういう論旨は取っていない。)
12
9日(月)朝8時からコンサル来社で午前中ずっとプロジェクト2つの打ち合わせ。10日(火)は正午過ぎに会社出てデュセルドルフまで運転、IT関連の会議後、翌日の会議メンバーで会食、韓国飯屋でフランスvs.ベルギー戦。11日(水)、午前中いっぱい会議、例によってラーメン喰ってフランクフルトに戻り、夜は出張者と若手駐在員で日本飯屋で会食、イングランドvs.クロアチア。今日は事務所でデスクワーク三昧、夜の便で帰国する出張者を空港に送って帰宅。明日夜からの帰国の荷造り。時差ボケでずうっと眠い。
08
2日(月)の朝、先週から出張で来ていたS氏を宿で拾って空港へ、U君が合流、ベネチアから来たAScが集合したのちにケルンまで運転。前日ケルン入りのその他大勢出張者も現れて代理店と会議は夕方まで、晩会食中にレストランのTVで日本vs.ベルギー戦観戦。翌日も会議、午後2時過ぎに終盤の会議をS氏と抜けてフランクフルトに戻り、車を事務所においてタクシーで空港、帰国。4日(水)着、東京駅八重洲口の宿でゆっくり、5日から6日は会社の泊り研修で大塚。夕方に日本橋の宿に入り、Wと晩メシ。2件目が長くなり、夜中に宿に戻る。7日(土)は昼過ぎに起床、Wと夕方待ち合わせ、先週結婚したコンサルタント会社のR氏(ポーランド系ドイツ人)への贈り物買いに付き合ってもらう。てことで今日帰国、夕方着。事務所に車取りに来て、明日朝の会議のためベネチアから来るAScを待ちメール処理など。合流は結局8時半になって、満月で一緒に晩メシ、終了10時過ぎ、事務所前の宿までAScを送って帰宅したら11時前。ようやく荷解き。明日朝8時開始の会議に備えてシャワー浴びて寝る。

「量子の新時代」佐藤文隆、井元信之、尾関章
副題"SF小説がリアルになる"。堀氏のレビューを見て積読してた一冊、今回の往復機内で読了。甲南大学の物理学に関する公開講座を元にしたという、量子物理学の解説本。難解な領域を題材にしてるわりにサクッと読める。第一章が尾関氏による一般向け解説(イーガンの名前も出てくる)、第二章は井元氏へのインタビュー形式での最新の研究(量子コンピュータ、暗号、テレポーテーションの理論と実践)、最終章は佐藤氏による量子力学の歴史から"科学"の本質までの哲学的ともいえる考察が展開され、個人的にはここが白眉。この語りを聞かせるための前二章だったような。ヒトと世界の関わりまで話が拡がる...ところに円城塔がふと浮かぶよ。
01
週末快晴。疲労回復のためサッカー見ながらごろごろ。溜まっていく未観映画ディスクからジョセフ・コシンスキー監督「OBLIVION」。トム・クルーズ主演、モーガン・フリーマンがレジスタンスのボス役、監督は「TRON:Legecy」の人、「バードマン」に出てたアンドレア・ライズボローも。話は良くも悪くもコミック的でシンプル。その分、メイキング映像で示されてるようにかなり資本もかけ凝っているビジュアルが心地よく、もうしろ作り手にいる方が楽しいんじゃないかと思うくらい。なかなか地味なSF映画だけどwikipediaに拠ればそれなりに客も入ったようでよかった。(トム様様?)

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