31
27日月曜日午前の成田発でフランクフルト、到着日の会食と28日の現地法人との会議、29日のドイツ代理店との会議とランチ後、同行者一行を連れて市内観光で道に迷い、でもって夜の便で帰国30日。今日は羽田でリモート会議に出てから正午過ぎの便で大分に飛び、工場で30分ほどミーティングしてから夜の会食。明日から福岡。
26
4月にオフィスが神保町に変わるので、小田急線沿線から京王線沿線に引っ越しを画策。猫を飼おうと考えているのでペット可物件で昨晩2つほど内見希望を出したところ即メール返信、今日はその不動産屋の物件を午後に見に行ってきた。新築。駅チカ。家賃は大幅アップだけど4月から給料上がるだろうし、とりあえず押さえる旨連絡。今年も何かと入用だなあ。
25

「ソラリス(上)(下)」森泉岳土(原作:スタニスワフ・レム)
SFマガジンで連載されてたスペキュラティブ・フィクションの金字塔コミカライズ。上下巻、全10話。空間と描線、黒鉛で描かれた海による奇怪な造形。レムでありタルコフスキーであり(ソンダーバーグではないかなーw)、而して森泉氏によるマンガならではのまた新しいソラリス。観察することって何なんだろう...って考えながら、「
コード・ブッダ」とちょっと繋がったり、あらためて自分の性質を客観的に見つめたり、寡黙な作品を読みながら濃密な時間を過ごせた。やっぱりレムってすごいよなーってのが読後の感慨だったりはするんだけどね。
ウェブでも読めます。
23
「西遊記事変」馬伯庸(齊藤正高
訳)
原題は「太白金星有点煩」、2023年に中国で出て邦訳は出たばかり。太白金星こと仙人の李長庚は、天上の啓明殿で修行者に課す苦難の企画立案を行う仕事をしてる。んで今回は、邦訳タイトルどおり、西遊記の玄奘三蔵が天竺に至り仏になるまでの81難を観音菩薩と一緒に任されるが、この三蔵一行の旅路には天界の様々な思惑が背景にあるようで...。てな話で、管理職に次々と襲い掛かるトラブル、そんななか当初は対立していた同僚とあることが切欠で絆を結んだり...、そんな展開が西遊記のストーリーを軸に、仏教と道教(李長庚は道教側で観音菩薩は仏教側)二つの派閥の駆け引きや伝説上の登場人物を巻き込みながら怒涛のように進んでいく。前半の役人哀歌的な話から、後半の天界ダークサイドに移ると謎解きモード。終盤、様々な伏線がするすると繋がって、最後に悟りへと...ってところにもうひとオチ。大団円に思わず喝采。 なにより中国のお役所仕事の内情というか意思決定の複雑怪奇さが垣間見れて、それもなかなかタメになる。
20
宮崎市在住の叔母から、年末ぎりぎりに売却済んだ実家が解体終わって更地になってるよとの連絡が写真付きで。解体するところは見たかったなあ...。日程教えてくださいと連絡しようと思ってたんだけど、まさかこんな早く解体されるとは。弟達に転送するも、薄い反応。そんなもんかね。
19
「AIとSF
2」日本SF作家クラブ編
1月半ばから少しずつ読んできてようやく読了。昨年11月に出たAIネタアンソロジーの第2集。長谷敏司、人間六度、池澤春奈、津久井五月、茜灯里、揚羽はな、海猫沢めろん、黒石迩守、樋口恭介、円城搭、塩崎ツトムの11作家730頁強。ここまでAIの社会実装が進み始めてて日々アップデートされてくなかでAIネタでSF書くのって難しいよなあ...と思うんだけど、AIというよりは機械知性との共存みたいな話が多く、今読みたいのはそれよりも実装されていく社会の生々しい変化と相克みたいなところだったり個人的にはしているので、そういうインスピレーションに応えてくれるものはあんまりなかったかも。円城搭「魔の王が見える」(AI実装される世界を諧謔的に書いてる)、樋口恭介「X-7329」(LLMに書かせた一遍)、塩崎ツトム「ベニィ」(過去と現在未来を偽史でつなぐことで絵物語ではないLLM後の世界に向き合ってる佳作)の流れがよくて、特に塩崎氏の佳作は分厚い本アンソロジーの白眉。LLMに関しては技術と社会というよりも、実装と制度の解像度がある程度ないと陳腐になってしまう状況じゃないかな。ネタとしての節目に来てる気がします。
17
デイヴィッド・リンチの訃報。78歳。元気そうだったのに...。もち「ツイン・ピークス」だし「ブルーベルベット」だし「ワイルド・アット・ハート」だし「マルホランド・ドライブ」だし...なんだけど(「デューン」ではないし、個人的には「エレファント・マン」でもない)、映画監督というよりこの世とあっちの世界の間にいる人って位置づけだったので、亡くなったというより、とりあえずあっち側に出かけたんじゃあ...って気がしてる。亡くなった姿を見たわけじゃないし。
賀詞交歓会ウィークが終わり、疲労困憊。今週は1日少ないのに。
13

前月から読んでた
岡野玲子「ファンシィダンス」をようやく読了。全9巻。修行編の途中まではリアルタイムで買ってて、終盤は読んでないので、どんな終わり方だったか覚えてないじゃん...てことで今回セットで古本購入。80年代バブル真っ最中のシティボーイとシティガールの恋愛模様×禅寺修行。世代的に、ここがツボなのを再確認。奇しくも昭和から平成への変わり目と同期してるところが価値を高めてるよなあ。修行編に始まる仏教ネタから終盤近くに量子物理学が絡んでユニバースに行っちゃうところは、佐藤史央「ワンゼロ」あたりの影響を感じる。最後まで読めてよかった。いまだにこういう男女関係にあこがれてるところあるよな。いちいちツボにハマるので、読みだすと止まらん。
てことで夕方の便で東京に戻る。
12
奥の部屋(マンガ部屋になってる)にある小ベランダ、室外機置き場の裏・周辺が30年以上、鳩の棲家になっていて、糞に羽、卵まで散乱堆積してる始末。今回の福岡入りは、思い立って一掃しようというのが主目的。ゴム手袋、トイレ掃除用強力洗剤液などを買ってきて、朝から夕方まで集中清掃。侵入防止の網も隙間をできるだけ潰して終了。永年の懸案が片付いてちょっとスッキリ。届いた
室内用カメラも設置。隠れ家、いろいろ試せて面白い。
長女は無事シカゴ経由ナッシュビル着からケンタッキー州の大学寮に、ノートラブルで辿り着いたみたい。
11
9日午前午後、10日午前の説明会3回が年明け最初の山場。元旦から3日除いて年末年始は休暇返上するくらいこの準備にかけたんだけど、まあ終わってしまえば1時間✕3回であっけないもの。こういう仕事がだんだん面倒くさくなってきてるけど、これからはこういう仕事が中心なのよなー。
てことで、現実逃避に今日から福岡。長女の渡米が、ホントだったら昨日10日だったんだけど、北米の大雪でのフライト遅延に巻き込まれるのを回避するため急遽今日の夕方に変更になって、そんなことなら今日福岡行きにしなかったのに...と思いながらも、朝早いフライトで(羽田は3連休で朝から激混みだった)福岡入りして、午後いちで福岡の人とデパ地下買い物でお昼ごはん食べてる癒やしは、それはそれで得難い。シカゴ行きのフライトはWiFiフリーらしくて、飛行中の長女とLINEのやりとりなど。満席でCAも態度悪く、いつものUAって感じだけど、スケジュール自体は順調みたい。
03
5月に卒業、就活する長女のスーツをオーダーに新宿まで付き合う。ついでに伊東屋で世話になった退官予定の先生にお土産を買いたいというので京王百貨店5Fまで。所望されていたという漆塗りの万年筆を購入。夜は
折り紙で猫を折るチャレンジday2。ヘラの導入で折り目の精度が上がったお蔭か、一応難易度2のツートーン猫を最後の行程まで通せたものの、一見さんでは厳しいなあ。
02
雑誌「フリースタイル」の年末恒例マンガ特集、実際あんまり参考にならないんだけど惰性で購入してる。今回は矢作俊彦の新連載?が掲載されてて(マンガ特集とは関係ない)、これがやっぱり面白かった。氏の食べ物の話は絶品、
孤独のグルメの企画本でも、島田雅彦なんかに書かせないで矢作氏に書かせたほうがよかったのに...。もっと矢作文章読みたくなったので
「東京カウボーイ」を読む。
2部構成で、1部はハワイから東京を経てパリまで、ベトナムで生まれて日系米国人に育てられた少年がヤクザの世界に入りハマり込んでいく姿を、国際的に活動する現代的な組織の姿といっしょに描いてる1992年作。バブル崩壊直後の雰囲気、日本という国の所在なさ、ベトナム戦争後の世界、ルーツを喪失した主人公を中心とした5話連作。2部は連作ではないが東京、NY、パリを舞台に食べる話で構成された4話に続いて名作「スズキさんの生活と意見」で〆る構成。
「サムライ・ノングラータ」の登場人物も出てくる。 前編とおして感じるのは”変わるもの、変わらないもの”が大きなテーマだということ。昨年から仕事でもそれが大きなテーマなので、なんか色々考えながら読んでいた。 大友克洋画の箱入り、1部2部で紙質変えるなど、今ではできないだろう凝った装丁。
01
「狂人たちの世界一周」ピーター・ニコルス(園部哲
訳)
1968年に開催された単独無寄港世界一周ヨットレースの顛末を描いたノンフィクション。絵入りでのヨット構造や用語の解説、当時の写真も収録されてて馴染みないヨットの解説が丁寧なところも有り難い。原題「A
Voyage for Madmen」、2001年刊、18年に題材ヨットレース50周年を記念して再刊、邦訳は24年に国書刊行会から出たばかり。そもそもレースが開催された経緯から、9人の参加者が出場する至る経緯、そしてもちろん9ヶ月にわたる緊迫するレース、最後にエンドロール的なその後まで。レース自身の劇的な展開も面白いけど、ヨットレース...さらに海洋冒険モノとして、なぜ海に挑むのか?海とはなにか?特異点としての英雄とは?...ってなところが登場人物たちの行動や記録に刻まれてるのが本書の魅力。セオリーの通じない海という自然に向き合う彼らの姿には、身につまされるというか、深く学ぶところがある。ヨットって奥深いなあ。年末年始でいい本に出会った。
ベルナール・モアテシエに興味が尽きないが、著書の邦訳は出ていないみたい。
