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「多々良島ふたたび」ウルトラ怪獣アンソロジー
先週は調子悪かったなあ...と反省しながら悶々と疲れの取れない週末は、殆ど布団に伏せて微睡み過ごす。郷隊員こと団時朗さんの訃報を受けてというわけではなく、先週から奇しくも読んでいた、ウルトラマン・トリビュートのアンソロジー。2015年に早川から単行本で出ていたものの2018年の文庫化版。山本弘、北野勇作、小林泰三、三津田信三(この方のことは存じなかった)、藤崎慎吾、田中啓文、酉島伝法の7作は、2015年にSFマガジンに掲載されたもの。特集があったのかな。挿絵つき。作者本人の各話解説も面白く、それぞれ個性もよく出ている。酉島伝法の異形のウルトラマンが圧倒的だが、田中啓文のメタ構造な冗談SFも愉しい。
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23日(木)に帰宅したのは19時過ぎ、そこから直ぐ米国留学に出発する長女を成田空港傍のホテルまで連れて行く予定だったんだけど、まだ絶賛荷造り中。結局20時を過ぎてバタバタと雨の中家を出る。この時間に向かう成田は遠く、日航成田にチェックインしたのは日が変わる前。翌朝はバフェの朝食を摂って、空港へ送ってチェックイン。ゲートで見送って、私はホテルへとんぼ返り。11時から夕方まで連続で会議。なので、結局2泊3日。シカゴでの乗り換え、ナッシュビル到着、大学寮への送迎バス(ナッシュビルから2時間)の到着まで、LINEメッセージでトレース。無事にバスに間に合ったのを確認して、午前中に帰宅。気温低く春冷えの1日(気温10℃、雨風もそこそこ強いし)。
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その無料配布の国書刊行会50周年記念小冊子に対して、「東京偏愛論」は税抜き1,600円。大友克洋のカバー欲しさに買った不純な動機とは言え、値段に応じた内容とは言えないよなあ。日経主催と思われる(出版元が日経なので)22年5月に東工大で開催されたシンポジウムの登壇3者による対談とインタビュー?を収録。滝久雄氏が編著、隈研吾、大友克洋、日比野克彦による都市東京観。サクッとそれなりに興味深く読めたとは言え(隈氏の"小さいもので構成される有機的な構造"観、"路地"への着眼は、組織論としても面白い)、こんなもんか?という感じ。フィールドワークが通底するテーマのようにも思えるが、そういった深掘りはなく、全体の印象は薄い。日比野氏とか、忙しかったのか、このクオリティの文章を書籍化するってどうなのよ?というレベル。 大友氏の表紙画は、そのうち画集かなにかになるだろうから(全集も刊行されてるしね)、余程のことがないと定価で買う必要はないでしょう。
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春分の日。最近週末2日では疲れが取れないのでありがたい。週休3日にならんかねえ。昨日Skyの更新が複数あって、クエストをクリアしたり、新しいアイテムの交換などなど。ソロでやってるとハートが貯まらず、進行の壁があるのがわかってきた。少しペースを落としてもいいかなあ...と思いつつ、藤花弁のケープは入手したいw
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日曜日に入手した「国書刊行会50年の歩み」冊子が、噂通り面白すぎる。皆が口を揃えてるように、無料配布のクオリティではない。社長の挨拶に始まり、元編集長、元編集氏による沿革、柳下毅一郎氏と編集氏対談、社員の座談会など。とんでもない話の数々がさらりとエピソードとして触れられ、数々の叢書群や特異書籍の企画裏話には唸らされるものばかり。なにより、そんな本も出てたのかーと、気になるものが次々出てきて、"国書沼"にハマりつつある。(冊子読みながらすでに何冊かポチってしまった。)会社として成り立ってるのか?(採算取れてるのか?)の謎についても答えが書かれていて(倒産の危機はあったようだけど)、これは読書家が支えていかねば...と変な連帯感が湧く。私の日々生きる糧は、こういう方々のお仕事に依るものだと、感謝に頭が上がらない。
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国書刊行会の50周年記念小冊子を入手しに、新宿の紀伊國屋書店へ。ボルヘスの「記憶の図書館」に、風濤社のクプカを2冊(カレル四世もの)を購入し、小冊子はないか尋ねたら、「まだありますよ」とのことで無事入手。久しぶりに書店で購書。本屋楽しいんだけど、何買ったかわからなくなるので、amazonから離れられないのよねえ。
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退職手続きの書類に確定申告、年度末は慌ただしい。今日の夕方は、新入社員時代から目をかけてきたE君の異動壮行会を3人で。違う事業に移っても頑張ってほしい。つか、偉くなって面倒見てくださいw
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「現代SF小説ガイドブック」池澤夏樹
監修
エレキングブックスから出たもので、twitterでの色んな人の言及見て買ってみた。内容はヤングパーソンズガイドで、マメに海外SF新刊購入している自分には必要なかったなーという感じ。国内・海外それぞれ50人の作家を選んでいるんだけど、索引的に簡単な記述。目を通して、積読して読んでない作家も多く(特に海外)、遅読を反省することしきり。会社に持ってって、雑誌棚にこそっと並べておこう。
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雨の止んだ少し冷たい風の吹く夕方、駅から帰宅の道中、マスクを外してみた。顔面全体でひんやりとした空気の流れを感じる。なにか言いしれない感動がちょっとだけ湧いた。
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「図書館司書と不死の猫」リン・トラス(玉木享
訳)
原著は英国で2014年刊、原題「Cat Out Of
Hell」。2019年に単行本で邦訳は出ていたらしく、今回文庫化されたとのこと。妻を亡くしたばかりの引退した元司書が、海辺の子コテージに傷心を癒やしに来ている。持参したラップトップに入っているほぼ面識ない図書館の利用者から送られてきたフォルダーをふと思い出し、開いてみると、そこにはある事件とそれにかかわる猫についての記録が...。「猫に九生あり」をネタに、謎の資料の書き手と語り手、そこに人語を喋る猫も登場、古典文学から娯楽映画に及ぶ引用に溢れつつ、恐ろしいやら笑えるやら(実際思わず笑ってしまうところも多い)、結構ありきたりなネタではあるが惹き込まれてサクッと読み終わる。カバー格好いいっす。続編もあるらしく、これはなにかに収録されてるのか知らん。
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法定の年5回の有給休暇取得を年度末までに埋めないといけないので休みを取る金曜日。然し朝8時から会議だし、突然入った週明けミーティングの資料作成。まあ、そんなもんですよね。夜は、年度明けに米国駐在に異動になるY君の壮行会を原宿で。気のおけない面子。水曜日からウイルス性腸炎のような症状で2日間固形のものが食べれなかったので、中華料理が殊の外美味しく感じる。
05
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「巡航船<ヴェネチアの剣>奪還!」スザンヌ・パーマー(月岡小穂
訳)
「デューン」のあと、サクッと読めそうな宇宙活劇物が読みたくて、出たばかりの本作を選んだ。サクッととは言えほぼ690頁の長編。原題は「Finder」。シリーズものの第一巻。太陽系を中心に銀河系に版図を広げ様々な異星人とも交流している人類。舞台は辺境のスペースコロニー群世界セルネカン連邦。造船会社から盗難された最新式クルーザーを取り戻しにやってきた主人公は、いきなり事故?に巻き込まれ...。世界観としては「ヴァレリアン」を彷彿とさせ、また開拓時代の米国を思わせる設定。言ってみれば西部劇、ただし主人公は無双の強者ではなく(この辺は「マーダーボット・ダイアリー」とは異なる)、悩める中年w。ボリューム相当にいろんなことが次々に起こり、読み始めはコレって複数エピソードの連作物?(こんなに長くなるような話には思えなかった)と思ったが、なんだか読まされてしまった。深読みするまでもない、こういうスペースオペラもたまには良い。ということで、期待通りでした。
04
03
3月2日にWayne Shorterが亡くなった。89歳。生で観たのは一度だけで、
2008年にシカゴでのPerez/Patitucci/Bladeとの四重奏。音に吹き飛ばされたり、何処かへ連れて行かれたり、異世界が目の前に立ち上がるような経験をライヴでしたことは何度かあるが、この時の体験は、数千年の歴史絵巻を夢の中で物語られているような(起きてしまうと物語の中身を覚えていない)、そういう魔法のような時間だったのを記憶している。15年も前になるのか...。
今週は8時前出社が多いうえ内輪とは言え気を使う夜会食も複数ありで、遅めの帰路の途中にかなり疲弊しているのに気がつく。これが4月からは、ルーチンになりそうで憂鬱。
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