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Musique D'Appartment A Tendance
Radicale... Peut-Etre/ Les Hauts de Plafond(Sonore, 2000)
フランス人ユニットによるコラージュ音楽。会話、日常音、生活騒音、音盤、映画、ラジオ、テレビジョンからのサンプリング。ミュージックコンクレートものというよりも、映画音楽的。
というのも、例えば休日家で本読みながらスピーカーから流れる音楽を聴いてるような、そういう感じをかなり巧妙に再現してるから(映画館で役者が演じる日常を眺めてる様な...)。騒音音楽とも云えるけど、結構BGMとして聴けてしまうのはその辺の巧みさが故か。今回の出張で意外や使えた1枚。
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Tribal Traquenard/ Stephane Huchard
(Blue Note, 1999)
太鼓に座っておどけるオッサンのジャケットに、破茶滅茶系のドラム音楽を想像して買った1枚、だけど、意外やハイテクなフュージョンで賺されつつも血沸き肉踊ってしまった、フランスのジャズ・ドラマーのリーダー作。浅黒系ベース弾きLinley
Martheのやたら飛ばし捲くる
ファンキー・フレーズに管重奏がこれまた飛ばすアルバム前半の疾走感はなかなか。マルク・バーソロミューの電子アコーディオンが後半ソロ取るボルネオ・ホーンズみたいな#3は面白いし、全編に流れるピエール・ベスマンのフェンダーローズも、ローズの音に免疫無いワタシには文句なし(バンジョーが入って、ちょいフレックトーンズな#9とかもいける)。
特異な音ではないけど、フュージョン好きなら聴いて損なし。
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Everyone You Hold/ Peter Hammill
(FIE, 1997)
ヴァン・ダー・グラフ・ジェネレイターの歌い手だった(と云っても1970年代半ばに解散)、ピーター・ハミルの1995-97年録音のソロ・アルバム。元ジェネシスのあのヒトが表のピーターならこのヒトが裏。と云っても、思うに知名度の問題。アフリカンビート
の導入やら時代性のある音作りを進めていったガブリエルに対して、SSWとして独自の詩世界と音像を高めていった手法の違いに起因するのか。ガブリエル氏はもう全然チェックしなくなったけど、ハミル氏は変わらず気になる存在。
ピアノの弾き語りにギター、キーボード、ヴァイオリン、ドラムが加わる定番的ともいえるシンプルな構成
で、独特の微ノイズとクリアライトな浮遊感(比較的、ギター/自演が前面に出た音といえるかも)。ヴォイシングの気持ち良さも詩世界も、既に普遍的。VdGGの盟友ヒュー・ヴァンドンのオルガンがドラマチックに盛り上がる#7の後に
一転、クールにじわりと盛り上がる#8が個人的には好き。
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The Ground Music/ Andreas Willers
Octet(ENJA, 2000)
フランク・ザッパな
捻転ジャズロックと聴く、ギター弾きアンドレアス・ウィラースが集めた汎欧州楽団の、いかにもエンヤ(ドイツの音盤レーベルね)らしいポップな現代音楽
アンサンブル。ロシア、ドイツ、パリ、NYC...
変幻自在なリズム隊と木管(クラウディオ・プンチンのクラリネットが凄い)金管アンサンブル/ソロの狭間に、ニューオリンズからバルカンを結ぶ音闇がちらりと垣間見える、感触は硬派なジャズロック。
独り善がりにならない各楽曲/アルバムの構成が、複雑なサウンドもいい按配に知覚刺激して聴かせてしまう。かなりお薦め。
(Andreas Willers: guitars, Dominique PifarIély: violin, Claudio
Puntin: clarinet, Mattias Schubert: saxophone, Arkady Shilkloper:
french horn, Jörg Huke: trombone, Dieter Ilg: bass, Tom Rainey: drums)
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Evangeline/ Gary Lucas(Paradigm,
1997)
キャプテン・ビーフハートの後期マジックバンドで、マネージャ兼ギタリストとして活躍した、というよりも、夭折の天才SSWジェフ・バックリーの師匠と言う方が今日的か?
変幻自在、神出鬼没のギター弾きゲイリー・ルーカスのソロ・アルバム(フォーキーなボーカルも数曲)。バンド名義ではなく、全くのギター独奏、でこの豊穣かつ厚み。ワグナーから(結婚行進曲!)から中国の古大衆音楽(美曲)、ブルースにR&B、ユダヤのトラッドのカバーと、このヒト何でも自己流のギター音楽に変えてしまう。錬金術師。ポーの「大渦巻き」をあしらったジャケットも秀逸。
ギター音楽好きには是非とも聴いて欲しい1枚だけど、バンドサウンドから入りたいという向きには、元ウドゥントップスのロロも参加した"Gods &
Monsters"からが良いかも。
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ONJQ Live/ Otomo Yoshihide's New
Jazz Quintet(DIW, 2002)
今年3月、新宿ピットインでの大友良英ニュージャズクインテットのライブ。ウェイン・ショーターで始まる全4曲。
(tel、ヒロシ両氏と観に行った)ほぼ1年前の同所での演奏と比べると、
音のまとまりが歴然と違う。のは、津上研太のアルトがバンドの柱になって聴こえるからだと思うのだが(逆に言うと、一年前生で観た時には、津上氏の位置がわからなかった...)。各人の位置が明快で、混沌とした音像なのに、聴き易い。
ジム・オルークの「Eureka」は、"取り"の定番。前回も、この音圧に圧倒されたものだけど、今回ディスクマンで聴いてもやっぱりやられた。
と言いながら、そろそろ次のマストを掲げたら...などと思ったりも。
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Holly Place/ Radiohead(Wonder
Boy, 2002)
レディオヘッドの2001年8月ハリウッド・ボウルでのライブ録音CDx2。音質は、海賊盤としてはかなり良質の部類か。
先日、とうさい、ぽんた両氏と御茶ノ水遍路したときにDUで並んでるのを見つけ、3度ほど躊躇して購入。 所謂熱烈なファンでもないので、
バンドを語るなんてこたあ全くもってオコガマしいんだけど、「Kid
A」からの曲を要に配したこの盤を聴くにつれ、ライブでの音場で件のアルバムのビジョンが完成するといった気がしてくる。ライン録音音質でCDx2くらい
(が丁度良いので)のライブ盤を正規で出してくれると良いんだけど。
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Papa Wemba et Pouvic-Shouna 1/ Viva
La Musica(Crown, 1990)
真夏向けの一枚といえば、これを忘れちゃあいけない。ザイール
はルンバ・ロックの高峰、パパ・ウェンバとそのバンド「ヴィヴァ・ラ・ムジカ」の1988年パリ録音盤。70年代後半の攻撃的なスタイル(炎天下のような...というか)とは違って、熱帯夜のようなマッタりとしたグルーヴ/ボーカルに爽風の如きギター。そのギターの
音色は、ホルガー・チューカイに、自分の頭ん中では繋がっていく。
収録曲は4曲だけど、リンガラの熱気と清涼を十分堪能できる好盤。90年代、マルタン・メソニエ制作で国際的評価を確立する以前で(それもまた良いのだけれど)、真夏にはこのアルバムの方が機能的。
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Here Comes Trouble/ Scatterbrain
(CBS/SONY, 1990)
快晴極暑の都会の照り返しには馬鹿能天気で滅茶苦茶巧いヘヴィメタルがやっぱり気持ち良い。ので、この時期アウトドア用に使用頻度の高い一枚。所謂RHCP筆頭のミクスチャー系ロックのメタル寄り典型例で、これ1枚のお遊びバンドかと思ったら、その後も続いていた(る?
よく知りません。これしか持っていないので...)らしい。
ドアーズからイエス、ツェッペリンなどメドレーで繋いだ#5、モーッアルトのソナタやってる#6も良いけど、馬鹿詞を切れ味の良いリフに乗せる爽快感が身上。意外に、ここまで小気味良いのは無い気がする。
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Early/ A Certain Ratio(Soul
Jazz, 2002)
ポストパンクなUKファンク。ファクトリー・レーベルの看板だったバンドのCDx2からなる編集盤。ベスト盤としても外してないし、レア音源集(Peel
Session含む)の2枚目も、正調ポストパンクな攻撃性堪能できる必携盤(1980年NY録音時の映像まで収録!!)。このレーベル(Soul
Jazz)のコンピは、ホンと質高い。(因みに、disc2は、アナログ盤もあり。)
このバンドの後のUKロックへの影響は、いろいろと言われる所だけど(所謂"マンチェスター・ブーム"の頃、再評価あったり...)、正当な後継者はNew
Fast Automatic Daffodilsくらいしかない気がする。ので、またぞろ、再評価、影響丸出しのバンドが出て来て欲しいもの。
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