21

世田谷文学館まで歩いて
「士郎正宗の世界」と
「海野十三と日本SF」を観に行く。草薙素子が大きくあしらわれた自動扉を入って文学館2階のいつもの展示スペース。「攻殻機動隊」のラストのコマをプリントした御簾をくぐって、まずは士郎正宗史のパネル。同人誌から直ぐに商業誌デビューして
来年公開の「攻殻機動隊」最新シリーズまで。その先にマニュアル期の画道具一式が本人解説とともに、その横に「士郎正宗の本棚」テーマの展示があって、今回これが一番面白かった。80年代のサイエンス誌、「HEAVY
METAL」誌(フランス版の方ではなく)、昆虫や生き物図鑑、それらについての解説。のちのパネルにも出てくるんだけど、サイバーパンクの影響があったわけではないことは、展示のあちこちでコメントしている。むしろ70年代から特に80年代の生物科学とかサイバネティクス、ニューサイエンスにポストモダン哲学の直接の影響がアイデアの源泉ということらしい。あとは、主要4シリーズ(アップルシード、ドミニオン、攻殻機動隊、仙術超攻殻オリオン)キーエピソードやシーンの生原稿を読んで廻れるメインの展示が中心。カラー彩色原稿なんかは眼福ですね。量質ともに満足の展示で、特設ショップで売ってる図版も氏の展示中コメントは全部収録されてるしプリントも綺麗で、そこも大変良い。グッズはどれもそれなりのお値段なので、絞ったつもりでも結構な散財。
1階の「海野十三と日本SF」は、直筆書簡や日記を中心に、氏の人生を回顧する内容で、これも量質ともに充実した内容。特に横溝正史とのやりとり、戦中の日記、従軍記者だった際の家族への手紙など、空想科学小説家というだけでなく人間としての氏の想いに沿った展示で、没後80年近く経ってこんな思い入れのある回顧展が行われるとは本人も冥利に尽きるに違いない。
しかし士郎正宗展でつくづく思うのは、学生時代を80年代で過ごせて幸運だったなあ...ということかな。他にも色々思うことはあるんだけど、話す相手もいないのよねw
19
午前中に少しさぼって散髪へ。外は夏の日差し、自分しか客のいない冷房の効いた古い店内で八月には店を閉じる老齢の店主が丁寧に髪をカットする中にラジオから流れるXTC。とても好みの感じにカットしてくれたんだけど、あと何回行けるのかな。
15
午後の便で帰宅。雨あがった福岡も暑いが、東京も暑い。
14
夜半から朝まで大雨だったのが、昼前からは小雨になる。山の方は降雨帯が見えるけど、海沿いのここまではやってこず。ランチは福岡の人と肉喰う約束してたので
大名の鉄板焼レストラン。リッツ・カールトン周辺は綺麗になってて洒落た食事処が入っている。帰宅して夕方にやってくる親友たちを迎える準備...つっても軽い掃除とUberでケータリング頼むくらいだけど。Yが16時過ぎ、Sは17時過ぎにやってきて、19時過ぎにSの奥様が合流。SF話、書籍話からレコードいろいろ聴きながら音楽の話、蔵書蔵盤の老後の処分方法とか、まあいろいろ。日が暮れた頃から
YMO「1979
TRANS ATLANTIC TOUR LIVE ANTHOLOGY」 のHurrahのライブ映像鑑賞会。生々しいドラムスをフロントに出した配置と音、渡辺香津美のギターに一同で感心。21時過ぎに解散。
13
来福してからずっと雨だったのが今日はあがって少し蒸し暑いいち日。とはいえ18階の部屋にこもってるので地上のことはわからない。昨日は仕事の合間に
ネパールレシピでキーマカレー作ったので、福岡の人を呼んで振る舞いつつ近況を聞くなど。(野良猫を2匹保護?したばかりで大変らしい) 今日は先日の某団体年次総会をちょっと引きずってモヤりながら、仕事がいまいち捗らず。
「知能侵蝕(4)」林譲治
エイリアンの正体見たり枯れ尾花哉。そのへんは
3巻目で見えてたので驚きはなく、一番最後のオチも終盤土壇場の展開から予想どおり。さて収拾つくのか?というのは相変わらずだけど、ちゃんとまとめるのは流石です。本巻のメインは少子化日本の限界集落で起こる自衛隊急造徴兵部隊の大活躍。作者ならではの組織論と兵站論が、微に入り細に入った説明セリフで展開される。勢いで書いてる月刊書下ろしだから、思考実験そのままテキストにって感じはまあしょうがないのかなあ。今回は挟まれる小ネタもいまいち面白くなく、一連のこのシリーズはちょっと飽きてきたかもです。
10
時差ボケで就眠遅くなって眠いまま9日の月曜日朝に起きて出社、夜は保険会社と打ち合わせ後の会食でワインを少々多めに呑んでしまって遅めの帰宅...かみさんの誕生日なので、ウィーンで仕入れたザッハトルテを二人で食べてお祝い。今日は早起き。午後の経産省関係の某団体の年次総会で福岡へ。一度別宅に寄って雨の中を博多駅近くのイベント場。表彰状贈呈と懇親会の乾杯挨拶がお仕事。18時半には終了したので、雨が落ちてくる中博多駅へ歩いて別宅に戻る。夜の来客に約束してたウィーン土産を渡して歓談。尊い。
08
2日は某業界団体の年次総会・懇親会で締めの挨拶担当。こういうの苦手なんだよなー。んで、3日は日中出入り忙しいあと夜の羽田発でフランクフルト空港経由ウィーン出張。もとはヘルシンキ経由のJAL旅程が、週末急遽キャンセルになってANA便経由にリスケになったもの。前日雨だったせいなのか蒸し暑いウィーンは4日午前着で、午後から某学会大会のオープニングセレモニーから翌日の当社主催シンポジウムの演者先生方との会食。終始天気が良く、暑くてそこそこ昼夜忙しい3日間、6日の夜は出張者で気のおけない会食。7日に移動、夜のフランクフルト発JAL便成田着は今日の夕方。
学会場所と宿が郊外だったこともあって、ウィーン市内観光は今回殆どせず、一方で
郊外のショッピングモールにあるHARIBOショップで大量のグミ買い。福岡の知人に頼まれたブツもそこで入手。観光よりグミ。
01
「知能侵蝕(3)」林譲治
AI同士の闘いって展開ではなく、対エイリアンに迷走する国際社会と、近未来兵装が中心?の3巻。日本のインテリジェンス機関と政府・自衛隊の対比で、日本型保守組織をディスるところは相変わらず。連続刊行の書き下ろしものなんでこういう書き方になるのはわかるけど、そんなとこまで説明しなくても...つう字数の多さ諄さにはちょっと疲れる。終盤には国民総背番後からの徴兵に話が及び、少子化で縮小する日本社会に、世界戦争的な有事が起こったらどうなるのか...って話も。次巻で完結なんだけど、また話の展開はガラッと変わるんかな。
疲れが過ぎてるのか、眠って過ごす日曜日。全身麻酔でぐっすり眠りたい。
